両親の高齢化

年末年始にかけて、両親とくに父の高齢化と介護に関する意識が僕の中で高まっている。約10年前に僕が長年勤めていた会社をクビになった事を父に報告した時にその兆候は始まった。父は驚いて、腰を抜かしとっさのことで腰を痛めてしまった。10年前だから67歳ぐらい。そのころは元気だったが。それから10年。僕自身の転職に伴う減収と子育ての厳しい生活の中、あまり両親のことを気にかける余裕がないうちに老いていった。歳月が過ぎていっているのだから当たり前だが。
しかし、ここ最近は特に老いが目立ち始めてように思っていた。父の老いを感じるのは足が痛くて動かせない事。どうも腰ではなく足のようだ。80歳を目前に控え、日に日に外に出ない生活が日常化してきて、食べることと寝ることとテレビを見るだけの毎日のようで、生き甲斐はなんとか生きている息子である僕とその家族の元気さと母が傍にいることだけになっているように感じている。
年金生活になってからは父としてはやりたいことはいろいろとやっていたようだが。僕自身はあまり意識をしていなかったが、考えてみれば趣味は釣り・時代小説・車といろいろやっていたし、味噌を作ったり、梅干を漬けたり現役時代にはやらなかった事をいろいろとしていた。しかし、足を悪くしてからはそういったこともしなくなった、というよりは出来なくなったのかもしれない。
最近のことだが、足が悪くすぐに体を動かすことが出来ないので失禁をすることがあるようで父自身、辛い思いをしているようだ。プライドの高い人間だったのでその屈辱感はなおさらだろうと思う。
しかしこうしたことは僕自身もあとで経験することになると思うので、ここはやはりそれも父を人生の先輩と考えて、どう対応していくかをよく学んでおこうと思う。
高齢になり体の自由が利かなくなった時、毎日をどんな思いで過ごすのか。何を生きがいとして行けばいいのか。
とにかく子供として、両親には出来る限りのことをしていきたい。


わが息子が父に土産として、年末にプレゼントしてくれた日本酒。当然、大喜びしてくれた。