土曜日 朝 くもり

 昨日から入梅宣言。すばらしくその通りの天気。夜中に雨が降り、朝は一応あがったが梅雨の天気の典型みたいな曇天。家の近所を歩いてみると紫陽花が咲いている。紫陽花はこんな天気にはズバッとはまる花だ。葉は露を貯め、花びらはその雫が覆い季節の真ん中を散歩しているような時間。そして朝。それも週末で静か。
 バッハのブランデンブルグ協奏曲、三台のチェンバロの協奏曲を聞き流している。なんという切ないメロディー、リズム。ラベック姉妹もしっかりとおばさんになった映像。若いキャぴキャぴしたころのラベック姉妹のバルトークの演奏の時から30年ぐらい過ぎたのだろうか。バッハに合う年齢になったと言うべきか。とはいえこの映像自体も今からすると12年かそのぐらい前の写りの悪いDVDだ。
 時間の流れはゆっくりとしかし確かに進む。そう感じる週末の朝。チェンバロの響きが遠い時代の香りを乗せ僕の心の中を確かめるように進む。外は曇り。しかしあの暑い夏も次にやってくる。しかしまだ少しこの静かな時間を楽しもう。