新たなお気に入りの楽章

昔からブラームスのピアノ協奏曲第二番はお気に入りだったが、三楽章は飛ばして聴いていた。
経済的な余裕のなさからDVDもブルーレイも最近は全然買うことができない。おまけに再生が出来ない状態。故障!もっぱら頼りはNHKの芸術劇場になっている。毎週日曜日の夜九時から放送してくれている番組。これを録画して楽しんでいる。かなりたくさん録画しておりなかなかのライブラリーとなりつつある。その中のブラームスのピアノ協奏曲。バックハウスベーム・ウイーンフィルが僕の定番だった。ただしこれレコード。雄大さ・伸びやかさ・メロディの美しさ・ブラームス特有の暖かさと憂い、言葉で表すのは難しいがそうしたもの一体となって訴えてくる。ちょうど交響曲第三番と何か似通ったところもある。三十年以上もいろんな音楽を聴き続けているのに、わからないところはまだまだある。それなりに自分もクラシック音楽の通だとは思うが、奥がどこまでも深い。死ぬまでにどこまで聴けるのだろうかと思う。しかし、別に理解競争をしているわけでもないので時間の赴くままに楽しめればいいだろうと思っている。
話がそれたが、手垢がつくほど聴いているこのコンチェルトで第三楽章はいつも飛ばしていた。が、昨年の9月ごろたまたまあのメロデイが耳についた。そして名前は知らないが(調べればわかるが、いまはそれには興味がない)NHK交響楽団のチェロ奏者の男性は風体もいい。年のころは65歳ぐらいか、白髪の髪を侍のちょんまげのように括っている。全身を左右に振りながら弓を動かし秋の暖かい日差しのようなメロディを奏でる。オーケストラと主役のピアノがそのメロディによりそう。ブラームスの音楽は美しい旋律とそこに必要とされている楽器が一体となって音楽を創る。深まりつつある秋の時間を味わい尽くすかのように!たまらんね。感謝。