梅雨

昨夜から雨が激しく降り続いている。まさしく梅雨の真っただ中。特に深夜3時ごろはよく降った。
子供のころは雨が降る梅雨というのは嫌でしかたがなかった。学校に行く楽しみは校庭で球技をしたり遊ぶ事であって、教室で勉強することではなかったからだ。だから梅雨はそうした楽しみを奪う犯人であり、最大の楽しみの妨害する憎きものであった。
しかし中年を越えつつある者にとっては少し違うものになってきている。それはなんだろうか。雨が降ると歩きにくいし、濡れてしまうしどちらかといえばあまり良いものではないはずなのだが子供のころと比べるとそうでもない。
やはり季節を感じる楽しみがあるからだろうと思う。さすがに紫陽花はもう7月なので色あせつつあるが緑を潤す恵み、山や緑を浄化するようなもの。自然の中ではそういう善の役割をもっている。
あのギラギラした暑さがやってくる前の涼しい季節ともいえる。
音楽でも雨をテーマにした名曲が多数ある。ショパンや季節感ではないが水を感じるドビッシーなど。日本の和歌や俳句でもそうした梅雨の季節を詠んだものがある。雨は内向的にさせるかもしれないし、思索的になるような落ち着きをもたらす。
1年1年、積み重なる時間の重みと数々の感情や経験が心の中を拡げてくれている。
雨は心の中を豊かにしてくれる。そうした時間と思いを授けてくれる。